ひとつの赤紫色
赤紫色に沈んだ若いワインが、
波紋を重ねながら、グラスを満たしていく。
その小さな、華奢に見える、
ところどころ不透明なグラスは、
もちろん、私だった。
だからといって、そのワインは、グラスを満たしても、
私の全てを満たすことはできない奇跡。
いずれ、ワインは誰かに飲み干され、
グラスは空虚となり、
赤紫色の残滓が、
初恋として底に凝縮するだろう。
私の想いを置き去りにし、
初恋を化石とし、
甘みも苦味も渾然とさせたままに。
波紋を重ねながら、グラスを満たしていく。
その小さな、華奢に見える、
ところどころ不透明なグラスは、
もちろん、私だった。
だからといって、そのワインは、グラスを満たしても、
私の全てを満たすことはできない奇跡。
いずれ、ワインは誰かに飲み干され、
グラスは空虚となり、
赤紫色の残滓が、
初恋として底に凝縮するだろう。
私の想いを置き去りにし、
初恋を化石とし、
甘みも苦味も渾然とさせたままに。



