ひとつの赤紫色

赤紫色に沈んだ若いワインが、
波紋を重ねながら、グラスを満たしていく。

その小さな、華奢に見える、
ところどころ不透明なグラスは、
もちろん、私だった。

だからといって、そのワインは、グラスを満たしても、
私の全てを満たすことはできない奇跡。

いずれ、ワインは誰かに飲み干され、
グラスは空虚となり、
赤紫色の残滓が、
初恋として底に凝縮するだろう。

私の想いを置き去りにし、
初恋を化石とし、
甘みも苦味も渾然とさせたままに。

2007/10/08 Mon 07:57 | ひとりごと | トラックバック:0 | コメント:0












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